主祭神:保食神(うけもちのかみ)
物を生み出す力を持つ、食物と産業の神
保食神(うけもちのかみ)は農作物・獣・魚・蚕など、生活に欠かせない多くの物を生み出しました。飲食、産業を司る神様として多くの神社でお祀りされています。
日本書紀には以下の内容の記述があります。
ある時月読命(つきよみのみこと)が天照大御神(あまてらすおおみかみ)に命ぜられ保食神を尋ねた。喜んだ保食神は月読命をもてなそうと口から大地に向かって米を、海に向かって魚を、山に向かって獣を吐き出し、それらを豪勢に盛り付けた。しかし月読命は喜ぶどころか「口から出した汚い物を食わせるのか」と怒り狂い、保食神を斬り殺してしまった。それを聞いた天照大御神は怒り、もう月読命と会いたくないと言った。それで太陽と月は昼と夜に別れて出るようになった。
天照大御神が天熊人(あめのくまひと)を遣わすと、保食神の屍の頭から牛馬、額から粟、眉から蚕、目から稗、腹から稲、陰部から麦・大豆・小麦が生まれた。これらをすべて持ち帰ると天照御大神は大変喜び、民が生きてゆく為に必要な食物だとしてこれらを田畑の種とした。
保食神 以外の御祭神(27柱)
大日女命 | おおひるめのみこと | 天照大御神。皇室の祖神であり、太陽を神格化した神様。 |
素戔嗚命 | すさのおのみこと | 八岐大蛇退治で知られる荒ぶる神様。厄除けの信仰があり、全国の八坂神社などで祀られる。 |
誉田別命 | ほんだわけのみこと | 応神天皇。第15代天皇。 |
菅原道真命 | すがわらのみちざねのみこと | 平安初期の公卿・学者。現在では学問の神様として信仰が厚い。 |
大雷命 | おおいかづちのみこと | 雷神。黄泉の国で伊邪那美命の頭に生じた神様。 |
健御名方命 | たけみなかたのみこと | 武神。国譲りの際に建御雷命と力比べをした神様。長野県の諏訪大社の御祭神として有名。 |
火産霊命 | ほむすびのみこと | 火の神。火伏せの霊験で有名な秋葉山の神様。 |
大物主命 | おおものぬしのみこと | 大国主神と同神とされる、国造りを行った神様。出雲大社の御祭神として有名。 |
経津主命 | ふつぬしのみこと | 武神。「フツ」は剣で切る音を表すとされる。千葉県の香取神宮の御祭神として有名。 |
市杵島姫命 | いちきしまひめのみこと | 海上交通を守護する海の神。福岡県の宗像大社、宗像三女神の一神。 |
表筒男命 | うわつつのおのみこと | 航海守護の神様。伊邪那岐命が筑紫の日向の橘の小門の阿波岐原で禊をした時に化身した神様。 |
武甕槌命 | たけみかづちのみこと | 武神。古事記では建御雷之男神と記される。茨城県の鹿島神宮が有名。 |
倉稲魂命 | うかのみたまのみこと | 稲荷神社の御祭神。「ウカ」は食物の意であり、稲作の信仰でもある。 |
大山祇命 | おおやまつみのみこと | 山の神。本社の愛媛県の大山祇神社では鉱山守護の為、全国に分け御霊が勧請された。 |
埴安姫命 | はにやすひめのみこと | 神聖な祭器を司る土の神。伊邪那美命が火産霊命を産む際に生じたとされる。 |
大己貴命 | おおなむちのみこと | 大国主神と同神とされる、国造りを行った神様。出雲大社の御祭神として有名。 |
少彦名命 | すくなひこなのみこと | 体は小さいが、大国主命とともに国土経営に尽くした神様。 |
速佐須良姫命 | はやさすらひめのみこと | 祓戸四柱の一神、お祓いの神様。『延喜式』大祓詞にも登場する。 |
速秋津姫命 | あやあきつひめのみこと | 祓戸四柱の一神で、河口の水流にかかわる神様。『延喜式』大祓詞にも登場する。 |
火雷命 | ほのいかづちのみこと | 雷神。黄泉の国で伊邪那美命の胸に生じた神様。 |
天羽槌男命 | あめのはづちおのみこと | 織物・機織りの神様。倭文神(しとりのかみ)とも呼ばれる。 |
別雷命 | わけいかづちのみこと | 上賀茂神社の御祭神であり、各地の加茂神社(賀茂神社・鴨神社)で祀られる。 |
武内宿禰命 | たけのうちのすくねのみこと | 長く天皇に仕えた臣下。360余歳で因幡国に下向し、世を去ったとされる。 |
菊理姫命 | くくりひめのみこと | 『日本書紀』の一か所のみ登場する。どんな系譜の神か、などは不明。 |
櫛御気野命 | くしみけぬのみこと | 櫛は奇霊(くしび)、御気は御食または御木のこと。熊野大神と同神とされる。 |
罔象女命 | みつはのめのかみ | 農耕に関する水を司る神様。 |
八衢比古命 | やちまたひこのみこと | 天孫降臨の際に先導役を行った、猿田彦神と同神とされる。各地で道の神として信仰されている。 |